大相撲の東と西は、実際の方角ではないことも

大相撲の番付は、東と西に分かれている。
そこで、「ひがーしー、●●山、にーしー、▼▼海」などと呼び出しが掛けられる。
この東と西が、実際の方角とは異なる場合がある。
大相撲の東と西

ところで、東西力士を呼び上げる順序は、東が先か、西が先か、ご存じだろうか。
長年、相撲観戦を楽しんできた人も、おそらくご存じないであろう。
それは、日によって東西の順序が変わるからである。

初日から数えて奇数日は東方より、偶数日は西方より呼び出しを掛けることになっている。
地方巡業で一日しか興行がない場合は、東を先に呼び出すのが慣例である。

ついでに、東の横綱と西の横綱では、東の横綱が格が上とされている。

このように、大相撲と東西とは、切っても切れない関係がある。
ところが、大相撲で呼び出しが「ひがーしー」と声を掛けるその東が、実際の方角の東とは異なる場合があるのだ。

土俵を作る際に、先ず「正面」を定めてそれを北とする。
その向かいが「向こう正面」で南。正面(北)に向かって右が東、左が西となる。

この正面を定める際に、状況によっては、それが正しい方角の北となるとは限らないのだ。
とにかく、正面と定めてしまえば、それが北となる。
あとはそれを基準にして、東西と南が決定される。

これにつけて、思い出されるのが合気道開祖・植芝盛平翁の逸話である。
私がついていた合気道師範は、植芝盛平翁の内弟子をなさっていたお方である。
内弟子時代に植芝先生について各地を旅行された。

旅館の部屋に入ると、植芝先生は、先ず、「北はどちらじゃ」とお尋ねになる。
その時、えーっと、どちらかなーー、などとためらっているとお叱りを受ける。
北はこちらです、と指し示すと、植芝先生は、その北から初めて四方拝をなさる。

そこで事前によく方角を確かめておくのだが、時には方角を確かめる暇(いとま)がないこともある。
そういう時には、部屋のしつらえなどを考慮して、それらしい方角を「こちらです」と指し示すこともあったとか。

土俵の北も、まわりの状況にあわせて定めるというのが、かえって現実にそぐわしいかもしれませんね。

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