コオロギの「呼び鳴き」「口説き鳴き」「脅し鳴き」

コオロギが鳴くのは、オスがメスを呼ぶため

秋になると、庭の植え込みからコオロギが鳴き声を上げます。
ほんの小さなスペースしかない植え込みに、よくも生き延びていたものだと、毎年感心てしまいます。
コオロギ
日本には、およそ50種類ものコオロギがいるとか。
そして各種類によって、鳴き声の音色が微妙に異なります。人間には判別できない音色の違いを、彼らはもちろん判別しているのです。
同じ種類の仲間同士は、その鳴き声の音色で情報の伝達をしています。

虫が鳴くのは、基本的にオスがメスを呼ぶためです。
そこにいくつかのバリエーションが加わります。

呼び鳴き

まず、どこにいるか分からないメスを呼び寄せるためには、遠くまでよく響く「呼び鳴き」をしなければなりません。
人間が聞いて楽しんでいるのは、この「呼び鳴き」であることが多いでしょう。
この「呼び鳴き」には、自分のテリトリーを主張して、他のオスを近づけないようにするという働きもあります。

口説き鳴き

一匹メスが近づいてくると、「呼び鳴き」のトーンを落として、ささやくような優しい音色に代わります。「口説き鳴き」とでもいえるでしょうか。
この「口説き鳴き」で。メスを交尾に誘うのです。
(コオロギも人間も、大変ですね、オスというものは。)

脅し鳴き

もう一つ、「脅し鳴き」というものがあります。
テリトリーに他のオスが侵入してくると、チ、チ、チ、と短く突き刺すような音色で鳴きますが、これが「脅し鳴き」です。

鳴き声は捕食される危険性とともに

コオロギのオスが、メスを求めて鳴き声を挙げる。これは種の保持存続の為に、どうしても必要なことです。
鳴き声による情報伝達は、暗闇であれ、落ち葉の下であれ、どこでも効果的に行うことができます。
しかし、それは同時に、カエルや小鳥などの天敵に捕食されるという危険性を伴っています。
情報伝達が効果的であればあるだけ、この危険性が高まるのですから、コオロギさんは大変だ。

食用コオロギ

「カエルや小鳥などの天敵」と書きましたが、その天敵よりももっとすごい「新たな天敵」が人間です。
何と、コオロギを食用にしようという研究が進められているのです。

実際に、東南アジアでは食用として、各種のコオロギが市場で大量に売られているそうです。
コオロギの粉末を原料としたプロテイン・バーがすでに開発されており、クリケットフラワー(cricket flour)と呼ばれています。

生きたコオロギ100gあたりのタンパク質は2gに対し、このクリケットフラワー(コオロギの粉末)は、100gあたり50~70gのタンパク質が含まれているとか。

人口増大による食糧不足に備えて、昆虫食の研究が世界中で進んでいます。
日本のある会社は、養殖コオロギを発酵させて醤油を作っています。
動物たちにとって、最大の「天敵」は、人間かも知れませんね。

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