コオロギの鳴く回数で気温がわかる
昆虫は変温動物であり、自分で体温を維持できない。
気温が上がると、動きが活発になり、鳴く回数は増える。
気温が下がると、動きが鈍くなり、鳴く回数は減る。
これに着目した学者が、様々な気温のもとでコオロギが鳴く回数を調べたところ、コオロギの鳴く回数と気温との相関関係を発見した。
その発見によると、コオロギの鳴く回数を数式に当てはめると、気温が導き出されるという。
具体的には、15秒間にコオロギが何回鳴くかを計測する。
その計測を数回行って、鳴く回数の平均値を出す。
その平均値に8を足す。
さらにその合計数に5をかけて9で割ると、気温の数値になる。
つまり、15秒間にコオロギの鳴く回数(平均値)を✕とし、気温をTとすると、次の式が成り立つ。
T=(X+8)x 5 ÷ 9
コオロギが15秒間に平均20回鳴いたとすると、その時の気温Tは:
T=(20+8)x 5 ÷ 9 ≒ 15.6 度
となる。
現実にはあり得ないだろうが、仮に、コオロギが15秒間に平均45回鳴くとすると、(1秒間に3回はやっぱりあり得ない)、その時の気温Tは:
T=(45+8)x 5 ÷ 9 ≒ 29.4 度
となる。
なるほど、コオロギが鳴き始める秋の夜に、29.4 度は気温が高すぎる。
一秒間に3回だから、リーンリーンという風情は無く、けたたましく「チ、チ、チ、チ、チ」とでも鳴くのだろうか、つまり、あまりに暑すぎて「アチチチチ」と鳴く。(あはは)
そう考えるとかえって、数式の信ぴょう性が高まるように思える。
秋の夜長にコオロギの鳴き声を数えて、秋の涼しさを数式からも感じ取ってみてはいかがであろうか。
あるいはまた、虫かごの中で飼っているコオロギの音色を、温度を変えることによって変化させるのも面白いかもしれない。
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